三鷹の大黒屋。ガクログ3.3。

三鷹の大黒屋。ガクログ3.3。

 

こんなこと言うのもなんだけど、三鷹駅ってほとんど用事がない。
三鷹というとジブリの森と反応してくれる人が多いが、あれはほとんど吉祥寺だ。しかも私は一度も行ったことがない。
住民以外の人が使うとしたら中央線特快と東西線の乗り換えくらいだろう。
ただ、このパッとしない三鷹こそ、私が生まれた町なのである。
もちろんそんな町で生まれた私もその町同様にパッとしてない。なんせ今無職だ。
しかし、こんな町にも良いところはある。それは町中華が周辺地域の中では比較的に多く存在すること。
正確な理由はわからないが、私は長年続いていた線路の高架工事による土木作業者の功績だろうと予測している。
何れにせよ、私にとっては非常に嬉しいことだ。


その中でも今日は大黒屋に行くことにした。
大黒屋はかつて部活の帰りに頻繁に寄っていたお店。10年前くらいの話。
店構えは10年前と全く変わっていない。
何より東向きにも関わらず、食品サンプルが日焼けすることなく、美しいまま展示されている。
漬物のサンプルまで全定食メニューに付けているこだわり。すごい!
ただ、手書きで書かれたメニューに関しては文字が消えるんじゃないかくらいまで薄くなっている。こっちは日焼けしてるんかーい。

そして入口脇に置かれた日替わりメニューのホワイトボードはなぜかトイレットペーパーで固定されている。
ん?もっといいものなかったかな?今梅雨だからふにゃふにゃにならないかな?なんて心配になる。
¥マークもでかいなっ!
なんか最高じゃん大黒屋!

店内も10年前の記憶と全く変わらぬままだが、やはり以前と比べたら店内は歳をとったかなー。
ここは今や数少ない終日喫煙可のお店なので、壁紙、カーテン、天井は長年蓄積したヤニによって変色していた。
蛍光灯も弱めなので、店内は全体的に薄暗い。その薄暗さはデートで使えるようなムーディーなものではなく、おばあちゃんちのような薄暗さだ。
壁には綺麗で読みやすい手書きのメニューが所狭しと貼られている。ちなみにここに貼ってある”今日のいちおし”は毎日変わることない。要するに”いつもいちおし”なのだ。
こういった目を引くような展示物や整理整頓が徹底された店内はいつもテキパキと働いているお母さんの日々の努力の賜物なんだろうな。綺麗に管理された食品サンプルも納得だ。

10年前と何も変わることなく、餃子と炒飯を注文。
私以外のほとんどの人が日替わり定食の麻婆豆腐を頼んでいた。みんな常連さんのようで注文すると同時にタバコに火をつけていた。喫煙者にとってはこのお店は数少ないオアシス的存在なんだろうな。
BGMとしてだらだらと流れるテレビの音とお母さんの配膳の音だけが鳴り響く荘厳な雰囲気だ。
奥の神棚もその雰囲気を助長しているのだろう。


10分ほどで炒飯と餃子のセットが同時に登場。
このお皿の統一感のなさはご愛嬌。なんかこういうの可愛くていいな。
特に餃子のお皿は他では見たことのない珍しいステンレス。
こういう金属系でいうと渋谷の錦とかも使っているが、このお皿に関しては雷文柄がしっかりと彫り込まれている。
昔は全く気付かなかったけど、こんなすごいお皿使ってたんだ!

肝心の餃子は底面が美しく色で揚げ焼きされている。いかにもサクサクで美味しそうだ。
箸で持ち上げてぐるっと一周眺めてみると、ヒダがほとんどないことがわかる。これもきっとお店のこだわりなのだろう。

餃子に歯を入れると、カリッカリのサックサク。
そして皮の中から一気に油がジュワーと染み出してきて、口の中はカオス。

肉餡自体は小さいのだが、しっかりと練りこんであり、皮に負けない存在感がある。
ほのかな甘みの他に煮干の風味を感じるのはラーメンスープを少し混ぜこんでいるのであろう。うまい!

もう少しニンニクや生姜、ニラなどの薬味の存在があっても良いかもと思ったので、途中からラー油を上からかけてコクを追加した。
少し油っぽいけど、美味しい。いいねいいね。

お次は炒飯。
見た目はかなりシンプルでナルト、焼豚、ねぎ、卵の超ベーシックな具材。
お米は水分が残っており、もっちりしている。パラパラ系というよりはもっさり系。お腹にドカンとたまるやつ。

味付けもかなりシンプルで塩と化調が良い塩梅で使われている。
具材の味がもう少し際立ってくると最高なんだけどなぁ。
だが、これが小さい時から食べてた味。大人になると色々と余計なことを考えるようになってしまうんだな。
漬物はかなりしょっぱいので、炒飯と食べるのが吉。
ラーメンスープは煮干ベースでしっかり美味しい。最後に飲み干して、ごちそうさま。

お会計は1,070円。安いなぁ。美味しかったし、大満足。
お店を出て今にも雨が降り出しそうな空を見上げて、10年後の自分は何をしてるのかなぁとふと考えた。
そんなことはいくら考えてもわからないけど、大黒屋はこれからもいつまでもずっと今のままでいてほしいなと思った。

おしまい。

↑締めがおしゃれに決まった。


店舗基本情報
店名:中国料理大黒屋
電話番号:0422-51-5404
予約可否 :不可
住所:東京都武蔵野市中町1-10-6
アクセス:三鷹駅から315m
URL:https://tabelog.com/tokyo/A1320/A132002/13063342/
営業時間
11:00〜22:00

定休日
木曜日

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