今年もたくさんの餃子を食べました。
素晴らしい餃子との出会いと別れ。
印象的だった出来事を紹介したいと思います。
①素晴らしい餃子との出会い。
予約3年待ち。敦煌の水餃子
無造作に盛り付けられた水餃子はぷっくり膨らんだ腹やヒダ、指の接着部などがランダムに光と影を生み出し、白いお皿の上で立ち込める湯気を纏い美しく輝く。大きさはキャンディーのような小ぶりなサイズで今まで食べたことのないつるんとした舌触りながらびろーんと伸びる皮はいつまでも口の中で泳がせていたい優しさの結晶。肉餡は挽肉に白菜とネギのみのシンプルながら生姜と白胡椒の香りが口の中に広がる。特別なお野菜や調味料を使っているわけではないのに、なんでこんなにおいしくなるのだろうと一つ一つ噛み締めながら食べた。気が付いた時には一人5個という最初に言われた数量配分を無視してひたすら食べ続けていた。でもこれが原因で嫌われてもいい。友達がいなくなってもいい。だって自分に正直になった結果なのだから。友達がいなくなっても良いと思わせてくれるそんな水餃子。美味しくて涙が出そうになったのは久しぶり。
②素晴らしい餃子屋さんとの別れ。
さらば、赤天!さらば、みんなの父よ!
カウンター5席のみで常連さんを多く持つお店なので紹介するか悩んだが、2023年いっぱいで閉店するということで記録として残したいと思う。
残された数日間は常連さんのために新規での訪問はやめてあげていただきたい。
高円寺の商店街をテクテク歩いていると突然現れる黄色いテント。小さいけれどクラッシックな外観にオーラが漂う。
店内はキツキツのカウンター5席のみの極小店で、海外の高級ホテルのエレベーターほどのサイズ感。セブのジプシーという乗合バスのように常に隣の人のどこかが体に当たってる状態になる。
メニューは餃子と瓶ビールのみという潔さ。これこそが真の餃子専門店。私はこれだけあれば十分。赤星を飲みながらお父さんが餃子を包み、焼く動作を眺める。この極小店舗ならではライブ感を体全体で感じる。私にとってはLIQUIDROOMでビヨンセのライブを見てる感じ。
赤天の餃子は2人前から。ひとつひとつが大きくないので私は行くといつも4人前は食べる。皮は薄めで野菜と肉半々くらいの肉餡。肉餡が詰まってるわけではないが、噛み締めるたびにお肉の旨みを感じる。これを味噌ダレで食べるのだが、これがもう最高。味噌→酢→醤油→辣油の順番で味を調整しながらタレを作る。この自家製の味噌と辣油がたまらなくうまい。餃子のひだ部分でこの味噌ダレをたっぷりすくって食べる。ビールを飲む。餃子を食べる。ビールを飲む…寝ては起きてを繰り返す休日のおじさんのよう。そして驚くのはそのおいしさだけでなく、餃子一人前220円という衝撃価格。もはや慈善事業?皮も手作り。どんな世界なんだ。
お父さんや常連さんも優しくて面白い。ついついゆっくりしてしまうが、長居してはだめだ。譲り合いの精神でサクッと飲み食いして帰るお店。
こんな素晴らしいお店がなくなってしまうことが心から悲しい。
最後に
最後は少し寂しい文章になってしまったが、2023年ほかにもたくさんの素晴らしい餃子に出会った。
ここではいろいろな事情で紹介できない餃子屋さんがあるのでそれはまた来年。
来年ももっと地方にも足を伸ばしていろんな餃子に出逢いたいと思います。
ありがとうございました!
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