吉祥寺のちんらい。ガクログ3.4。

吉祥寺のちんらい。ガクログ3.4。

なんの用事もなく吉祥寺をウロウロ。サンロードとダイヤ街は10年前から大きく変わってしまった。その変化は一気に訪れたというよりは、1店舗ずつ個人商店が潰れてどこでも見かけるチェーン店が新しく立つ。それを繰り返してじわじわと吉祥寺の名物商店街は日本中どこでもあるような面白みのない通りになってしまった。そんな中でもバウスシアターが潰れてしまったことは長らく吉祥寺周辺に住む私たちにとって一番の出来事だった。その少し寂れたミニシアターには私たちの甘酸っぱい思い出が全て詰まっている特別な場所であり、変わりゆく吉祥寺の最後の砦のような存在であった。そんなバウスシアターがついに無くなって、ラウンドワンができた。もうここで映画を見て、マリオンクレープを食べられないと思うと、自分の青春時代をごっそりと奪われたような、なんとも居た堪れない気持ちになるのであった。ボーリングは第一ホテルでできるし、カラオケはペガサスで十分なのに。

センチメンタルな気持ちに浸りながらハモニカ横丁に入る。活気ある魚屋さん、店先からモツ煮が香る飲み屋さん、アメリカンヴィンテージを扱う衣料品店など私が小さい時から変わらない風景が残っていることに少し安心をする。いつもお店のオヤジさんに吉祥寺の昔話を嫌という程聞かされたもんだ。よし、今日はこの辺でご飯を食べよう。創業69年目を迎える珍来亭に行くことにした。ここも昔からよく行っていたお店だ。

えんじ色の暖簾をくぐってすぐに餃子と炒飯を注文。いつ来ても同じものを食べるのでメニューなんて見る必要がない。瓶ビールを頼むか頼まないかの違いくらいだ。

最初に炒飯が到着。
真っ白な八角皿にGカップほどの膨らみ。具は少なめのシンプルな炒飯。これが素朴な味でいつも暴力的な料理を食べ続けている私に落ち着きを与えてくれる。爆音のクラブから外に出た瞬間に味わうあの気持ちと同じだ。途中から紅生姜でアクセントを加えるのがオススメの食べ方だ。

餃子は薄焼き。いつももう少し焼いて欲しいな〜と思うが、これが珍来亭のデフォルトの焼き加減。ラーメン屋でありがちなミンチされたタイプではなく、お肉と野菜がザクザクと切られていて食感が楽しい。生姜がほのかに香る優しい味付け。いつもは餃子には必ず瓶ビールを頼んでしまうのだが、珍来亭の餃子はビールというより炒飯のスープとかの方がしっくりくる。そんな家庭的でホッとする餃子だ。

最後の餃子を口に入れ、フーッと深呼吸をして自分をリセット。よし、整った。お母さんにごちそうさまを伝えて店を出た。
再び吉祥寺の街をパトロール。なんだかんだ新しくできるお店を見ながら、あ、ここはレストランだったのに!とかここは確か雑貨屋だったよなぁとか考えながら楽しんでいる自分がいることに気が付いた。私も将来ここら辺のオヤジたちみたいに、ちゃんと今の吉祥寺の姿を覚えておいて、若い奴らに嫌と言うほど昔話を聞かせてやろう。覚えておけよー。


店舗基本情報
店名:珍来亭 (ちんらいてい)
電話番号:0422-22-3842
予約可否 :可
アクセス:
吉祥寺駅から93m
住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町1-1-9
URL:https://tabelog.com/tokyo/A1320/A132001/13015931/
営業時間
11:30〜15:00 17:00~21:00 昼はラーメン屋。夜は居酒屋。
定休日:
水曜定休 休日の場合は営業 たまに不定休あり

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