表参道の精陽軒。ガクログ3.0。

表参道の精陽軒。ガクログ3.0。

私が通っていた大学から目と鼻の先にある町中華。こんなに近くにあったのにお店の存在を全く知らなかった。なんて情けないんだ。当時の私は調子に乗って、おしゃれなカフェとかバーに行くことに必死だったんだろう。髪の毛を染めてワックスつけて、全身をブランド物で固めて毎日がファッションショー。見るからに必死で痛いやつだった。10年前の私に言ってやりたい、その努力は全て無駄だと。10年後の君はいつも髪の毛ボサボサで半袖半ズボン。おしゃれなご飯は美味しくないと口にすることを拒み、毎日餃子ばかり食べている。もちろん結婚もしていない。こんな姿を大学の時は想像しなかっただろう。でも安心してくれ、これで私は幸せだ。今の餃子中心の生活に何の不満もない。将来は餃子と結婚するんだ。

そんな精陽軒は青山通りを一本入ったところにある。創業106年という超老舗。ただ10年前の私が気付かなかったように老舗中華の主張がなく、シンプルを極めている。もう少し赤い暖簾をかけるとか、看板を出すなど存在の主張しても良いのではないだろうか。私はそう思ってしまった。

店内も中華料理屋さんというよりは田舎のカフェのような雰囲気。私たちが入るとちょうど店内は満席で、外で順番待ちが出るくらいの大人気であった。メニューから餃子と肉・玉子・にらの炒め、中華チキンライス、友人はレバニラを注文した。食べ過ぎではあるが、メニューに中華チキンライスを見つけるとついつい頼んでしまう悪い癖が出てしまった。

まずは瓶ビールと餃子が登場。さぁ創業106年の味を楽しませてもらおうではないかと意気込んでいたのだが、その餃子は冷凍であった。少し残念だったことは否めないが、この立地で400円で5個の餃子を食べられること自体に感謝しないといけない。一つ一つ食感を楽しみながら頂いた。

中華チキンライスはケチャップの酸味とネッチョリ感がちょうどよく、期待していた以上の美味しさ。これだから赤い誘惑からは逃れられない。どんなお店で頼んでも失敗することはほとんどない、居酒屋でいうポテトフライのような安定感を持っている不思議な料理だ。
肉・玉子・にら炒めは塩ベースの味付けが絶妙で玉子のふわふわ感とたっぷりなお肉が嬉しいお気に入りの一品になった。白米もビールもよく進む優等生。友人もレバニラも美味しかったようで大満足だったようだ。

お会計も安くてびっくり。お金がなかった大学時代の自分に教えてあげたい。お店を出ることには5人ほどお客さんが並んでいた。対照的にその先にあるド派手な看板が置いてある中華系チェーン店はガラガラであった。
あ、お店の見た目を派手にするだけではダメなのか。外観は普通でも美味しい料理を出していればお客さんは集まってくる。この真実を髪型や洋服などの見た目ばかり気にしていた10年前の私に教えてあげたい、中身が伴っていれば自ずと君の周りに人は集まるのだよと。そして同時に今の自分にも言い聞かせないといけなかった、外見もダメ、中身も空っぽだと人は集まるどころか避けていくのだよと。表参道のビルのガラスに映った33歳独身ほぼ無職の自分の姿を見て圧倒的な絶望感に襲われるのであった。あーめん!


店舗基本情報
店名:精陽軒
電話番号:050-5872-7786
予約可否 :可
アクセス:
東京メトロ表参道駅徒歩10分
JR渋谷駅徒歩10分
住所:東京都渋谷区渋谷2-1-9
URL:https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13047821/
営業時間
11:00~15:30
17:30~22:50
ラストオーダー:21:50
定休日:土・日・祝日

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