緊急事態宣言が今にも発表されそうな日。また町中華がバタバタと閉店してしまうのかと思うと胸が痛い。町中華という日本特有の食ジャンルの一つが消滅することは日本の食文化の大きな喪失である。このザワザワした気持ちを落ち着かせるために向かったのは阿佐ヶ谷の光陽軒。フォロワーさんに教えてもらったお店。
真っ赤なテントの下で暖簾が風にゆらゆら。明朝体の文字が生える黄色い立看板。市外局番が書かれていない電話番号には昭和の香り。これぞ町中華という要素が詰まった外観。カウンターと2人がけのテーブルが2つのみの狭い店内はほぼ満席。ここでは年齢も性別も職種も関係ない。仕事の合間の昼飯できている男性や近所に住んでいる親子、定年を迎えたおじいさんなど幅広いお客さんたちが思い思いの時間を過ごしていた。
私は餃子と炒飯を注文。そこから料理が出てくるまでに3回ほど勝手口からお客さんが訪れていた。お客さんといってもご飯を食べるわけではなく、お花や旅行のお土産などをお店に差し入れをするお客さんだ。地元に愛されているお店なのがよく伝わってくる。底抜けに明るいお母さんと愛情深そうなお父さんの人徳だろう。実際に私が初めて行った時からすごい色々と良くしてくれ、最近では世間話をするようにもなった。
餃子はその日に包んで冷蔵保管するフレッシュスタイル。みじん切りされた野菜が中心でシャリシャリとした食感と強めの甘さが特徴的。全体的に優しい味付けでホッとさせてくれる。少し味にパンチを加えるように醤油酢ラー油で作ったタレがちょうどよい。鉄鍋の焦げが気になるが許容範囲。もう少しよく焼きにして食感の変化つけた方がこのお店の餃子には合いそうだ。
炒飯の具材は注文が入ってから刻む。なので少し忙しい時は具材がやや粗めになるのが微笑ましい。今までたくさん炒飯を食べてきたけど、具材が粗切りなのが自分の好みということに気付き始めている。焼豚ごろっとナルトメンマをどばっと。光陽軒の炒飯はなんでこんなに美味しいのだろう。化学調味料の影は感じたものの、このオイリー&フワフワ感はなかなか出せない。かなり好み。
炒飯のスープには麺が入っていて、もはやミニラーメン。蒲田の「味の横綱」と同じだ。餃子とチャーハンと半ラーメンセットの出来上がり!コスパ最高!
町中華の良さを改めて実感させてくれる本当素敵なお店。是非町中華ファンにも町中華童貞にも行ってみて欲しい。こういうお店が家のそばにあると最高だなぁ。チェーン店にはない温かさがここにはある。こういう町中華はいつまでも続いて欲しいな。(光陽軒はなくならないと思うが。)
店舗基本情報
店名:光陽軒
電話番号:03-3339-6939 ←電話番号すげぇ!3の倍数ばっかり。
予約可否 :不可
住所:東京都杉並区阿佐谷北2-17-3
アクセス:
阿佐ケ谷駅から188m
URL:https://tabelog.com/tokyo/A1319/A131905/13062430/
営業時間
11:30-20:00
店休日
火曜 / 水曜
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