神戸三宮のひょうたん。

神戸餃子の名店ひょうたん。初めて食べた時の感動は忘れない。

お客さんの熱気や厨房のライブ感、豚ミンチを混ぜた味噌だれの独自性、独特な餃子の見た目と完成度。それらすべてが最高の餃子専門店ひょうたんを作り上げていた。
餃子を食べ進める中で肉汁をぼたぼたと味噌だれにこぼしながら食べることで旨みが増していく「味噌だれを育てる」という食べ方はもはや餃子の食べ方の新しいカルチャーを作ったとも呼べる。神戸で一番好きな餃子屋さんとはっきり言えるお店であった。

そんなひょうたんが昨年2020年6月に閉店。
昭和32年創業の老舗餃子屋の閉店の知らせはあまりにショックで枕を濡らす日々が続いていたが、数ヶ月後に多くのファンの声と企業の支援により復活することが決まった。そのニュースはとても嬉しいことだったが、あまりにも早い復活に疑問も感じていた。その復活宣言からクラウドファンディングを始め、1年足らずで元町店と三宮店が再開。それに加えて、一気に4店舗を新店オープンした。一度閉店したはずのお店がこんな経営方針変えることがあるのか。家族経営から企業の傘下に入ったので経営方針が変わるのは仕方のないことだが、一つのお店を街に馴染ませてじっくりと育ててきたひょうたんがショッピングモールにオープンしたのは個人的には衝撃的であった。作り手も設備もそれに合わせて全て変わっていったのである。

リニューアルしたひょうたんを食べることを目的に神戸へ行くことに。一番好きだった三宮店へ。

お店の内装や雰囲気は変わっていなかったが、餃子は大きく変わっていた。まず皮が違う。前のようなやや厚めの皮でもっちりとした食感はなく、ふにゃふにゃと張りがない。前から使っていた特注の焼き台を使ってはいるが、トレードマークであったマダラ模様の独特の焼き目もなくなった。そしてシンプルながら力強さのあった肉餡は、ニンニクの香りが強くなり、食感や素材の味はあまり感じられなかった。

決して美味しくないわけではないが、その餃子はかつて私が好きだったひょうたんの味とはまったくの別物であった。

一度閉店してから再開に至った理由が残されたレシピで創業の味を再現することができたからということだが、正直私はそう思わなかった。レシピは同じものかもしれないが、作り手や素材、想いが変われば餃子も変わる。餃子に宿る魂も変わるのだ。ひょうたんの名前が残るのは嬉しい反面、餃子自体が変わってしまうのであれば、いっそのことひょうたんは閉店して、新しい名前で再出発しても良かったのでは?と思う。ひょうたんはあの時の素晴らしい思い出のまま終わって欲しかったというファンとしての願いだ。
別においしい、おいしくないという話をしているわけではない。新しい餃子には新しい名前をつけてあげる方が良いと思ったということ。
改めて世代を超えて味を引き継いでいくことの難しさを感じた。

私はこれから第二世代のひょうたんのことは「ニューひょうたん」と呼ぶことにした。「ニューひょうたん」の餃子にもこれから作り手の想いや愛が宿ることを期待して応援していきたいと思います。

#ひょうたん #三宮 #ガクログ #餃子 #炒飯 #町中華 #ギョーザ #餃子専門店 #gyoza #dumpling #今夜も餃子とブギーバック #中華サウンド #神戸 #兵庫 #グルメ #三宮グルメ #神戸グルメ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。