幡ヶ谷の名菜館。ガクログ3.4

“癖の強い名物店主”に出会えることは個人経営の中華料理屋さんの面白さの一つである。

完全にマニュアル化されるチェーン店には存在することはないが、個人経営の中華ではガラパゴス化した独自の接客が存在する。

表参道の蓬莱や西荻窪の中華21、学芸大学の味味などが代表格だが、甲州街道沿いに店を構える名菜館も“癖の強い名物店主”に出会える貴重なお店である。

名菜館は手軽に本格中華が味わえるお店。定休日がなく、毎日ランチとディナーをやっている。お客さんは常にいるが混みすぎて入れないということがない適度な混み具合で、いつでも入れる安心感が気に入っている。ランチは常に10種類くらい用意しており、日本昔ばなしばりの大盛りご飯をデフォルトで出してくるサービス精神もある。(ご飯少なめと言っても聞き入れてもらえない。)

そしてここに来ると”何よりクセの強い名物店主”に会うことができるのが何よりの楽しみ。私にとってはミッキーの家でミートミッキーする女子高生と同じくらいテンション爆上げだ。

「イラッ⤴︎シャイ⤵︎マ⤵︎セ~⤴︎」と独特な発音でお出迎え。メニューを選んでる時は、「コレオイシッ、オイシッ」と半強制的にメニューを決めてくる。料理を持ってくる時は「スペ⤴︎ア⤴︎リブ⤵︎」「ホイッコッロー、ホイコッロー」と呪文みたいにテーブルにドンっとサーブ。津軽と沖縄の方言を足して生まれたような新しい発音は最初は聞き取るので精一杯だが、慣れてくると愛おしさが生まれてくるから不思議だ。そしてたまにお父さんが繰り出すボディタッチ。あのフェザータッチがあれば銀座の街でも一目置かれる存在になれるだろう。そんな強烈な個性を持ったお父さんがホールを制圧している。

餃子は夜だけのメニュー。皮も肉餡もふんわりしていて、はっきり言うとメリハリがあまりない。味付けも弱めで物足りなさがある。しかし、餃子と一緒に出してくれるタレを付けることで一気に美味しく進化する。そのタレはリンゴ酢の爽やかな酸味と甘みとニンニクやスパイスが複雑に混ざり合った名菜館の特製のタレ。お父さん曰く、何が入ってるかは内緒で絶対にマネできない味だという。内緒と言いつつ、簡単にリンゴ酢のことをバラしてしまってるところから、あと数回聞いたら全部教えてくれそうな気配を感じたのはここだけの話。この餃子はクセになりそうだ。

餃子以外のオススメは黒酢酢豚(←これ絶対。)と揚げナス、そしてチャーハン。何を食べても美味しいので色々なメニューにチャレンジしても良いだろう。

ぜひ一度”癖の強い名物店主”に会いに行ってほしい。お店を出る頃にはみんなお父さんのファンになってること間違いなし。ついつい真似したくなるが、やりすぎると友達が減ってしまうので注意しよう。友達って大事。

Ps. 朝方に名菜館の前を通るとアスファルトにお野菜が転がっていることがあるが気にしないこと。もともと地面に埋まってたものだから別に道路に転がってても気にしない。洗ってるだろうしね(きっと)


店舗基本情報
店名:名菜館 幡ヶ谷店(メイサイカン)
予約:03-6383-3053
予約可否 :予約可
アクセス:
京王線幡ヶ谷駅 徒歩5分
幡ケ谷駅から304m
住所:東京都渋谷区本町1-20-2
URL:https://tabelog.com/tokyo/A1324/A132401/13018599/
営業時間
11:30~24:00
ランチ
11:30~14:00
飲茶
14:00~17:00
お食事
17:00~24:00
定休日

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