九段下の源来酒家。ガクログ3.5。

まだコロナウイルスを対岸の火事でろうと高を括っていた2月末。 サッカーを共通の趣味とする男4人で餃子を食べようと19時に集合し、九段下の麻婆麺が有名な源来酒家へ向かった。 余談だが、基本的に店の予約や店への道案内は私が行う。 予約は電話一本で済む事が多いし苦でも無い。道案内も東京で育った生粋のシティボーイにとって高いビルがそびえ立つオフィス街だろうと抜群の方向感覚でパシッと目的地へ同伴者を導くことができる。(これはモテるポイントだから男性諸君覚えておくように。)
ただ、この日は違った。 似た様なビルが立ち並ぶコンクリートジャングルに翻弄され彷徨った。まるで片方の触覚を無くし た蟻の様にグルグルと。見かねたメンバーの1人がGoogle mapで確認し、駅を出てから真逆の方向に向かっていることに気付くのであった。こんな私のミスにも他の3人は一言も私を叱責せず、むしろ「良い運動になった」「お腹を空かせられた」など逆 に慇懃無礼な程のフォローをくれた。最初は有り難かったのだが、“ 相手のミスを咎めない自分の 懐の広さ”を見せびらかされているような気がして途中から胃もたれしてしまうのであった。私はそもそも悪いことをしたなんて微塵も思っていなかったとは口が裂けても言えなかった。
そんなこんなで漸くお店に到着。

「こんばんは。4人ですけど入れますか?」 「いらっしゃい。入れますよ。結構頻繁に換気するからちょっと寒くなるけど大丈夫?」 「はい。大丈夫です。」
「じゃあ奥の席どうぞー。あとアルコール消毒のご協力お願いね!」 2月終わり頃からしっかりとコロナ対策。お客さんが安心して食べられる環境作り。頭が下がりま す。 この日は「青菜の炒めもの」「四川風若鶏の唐揚」「焼き餃子」「麻婆麺」と瓶ビールを頂くことに。4人で行くとみんなの希望が反映されるのでメニュー選びからすでに楽しい。

餃子はお手本の様な焼き色。綺麗な三日月の中身は野菜よりもお肉の割合が多く贅沢なほどに肉肉しい。全体的にあっさりしていて上品な味付けで味わい深い。個人的にはもう少しパンチが効いてても良かったかな。酢コショウがちょうど良い。四川風若鶏のから揚げはお肉の可食部が少なくて残念。もっとから揚げ食べたかったのに！

そしてお店のスペシャリテの麻婆麺が湯気に包まれながら我々の眼前に。迫力が凄い…閻魔様が居る地獄のようなビジュアル。麻婆の中には太めのもっちりした麺。ラーメンにとりあえず麻婆豆腐を乗せたカジュアル麻婆麺では無い。正統派の麻婆麺にはこちらも心してかからねばならない。 そのままでも辛めではあるが、足りない人は卓上の「麻婆麺特製スパイス」を加える事で更なる山椒の痺れを味わえる。辣油と山椒の辛味と痺れの波状攻撃で我々は汗だく。劣勢に回っていたその時、店員さんによるコロナ対策の換気。冷気という味方を得た我々は一気 に劣勢を覆し、完食。最後は鍋肌に麺のおこげが出来ていて嬉しいサプライズ。 歴史に残る辛勝だった事は云うまでもないだろう。 ただ換気の時間が思いの外長く、店内は凍えるような寒さになり、低体温症になるかと思ったのはここだけの話。

店員さん、ちょっとじゃなくてめちゃくちゃ寒いよ店内!!コロナというか普通の風邪をひきそうだよ。訪れる機会があれば、貼るホッカイロを体の要となる箇所に貼っていく事を強くお勧めする。

ps.田舎から上京したての友人が九段下を”キュウダンカ”と読んでいた。もし田舎者を九段下に誘うときは”キュウダンカ”で待ち合わせと言ってあげないとたどり着かないので注意が必要そうだ。

店舗基本情報
店名：源来酒家 （ゲンライシュカ）
電話番号：03-3263-0331
予約可否 ：可
アクセス:
九段下駅から274m
神保町駅徒歩５分
住所：東京都千代田区神田神保町3-3
URL：https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131003/13006419/
営業時間
［月～金］
11:00～23:00（L.O.22:00）
［土・日・祝］
11:00～21:00（L.O.20:00）
定休日:無休

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