上町の信華。ガクログ3.2。
香りっていうものはつかみどころがなく、言語として表現することが難しい。香りの感じ方は人それぞれの経験や思い出に大きく影響してくるからだ。小さい時に大好きだった恋人がつけていた香水の匂いは良い思い出として”懐かしくどこか惹かれる匂い”に感じるが、例え同じ匂いでも苦手だった友人がその香水を体全身から発していたら”鼻につく嫌な匂い”と記憶される。匂いの感じ方は人それぞれであるように表現するのも人それぞれだ。
赤いテントにレンガの外壁、本物の木の蔦が宮殿のように入り口を彩っていた。その宮殿の看板にはなぜかビニールが覆せられ、店名がか細い字で書かれていた。料理のメニューも手書きで書かれ、ガムテープで補強されている。麻婆豆フ。”婆”は書けてるのに”腐”は書けなかったのかな。
店内は少し古く変な匂いがした。おばあちゃんちの物置に入ったようなそんな気分だ。ちょっと嫌な予感がしたが、出迎えてくれたお父さんとお母さんがとても愛想が良く、気付いた頃には匂いについては忘れていた。メニューは全て手書きで書かれており、店内のいたるところに張り出されている。「早い安いおいしいよ。手作りよ。」と一押しされている餃子と中途半端なカタカナが気になる麻婆豆フ、瓶ビールを注文した。中瓶で500円はありがたい。
注文をして5分後にはお母さんが笑顔で麻婆豆フを持ってきてくれた。お店のメニューが手書きで可愛いですねと伝えると、お母さんは嬉しそうに大変だったのよと答えてくれた。麻婆豆フに関しては”腐る”という文字を入れたくなかったのでカタカナにしたと言う。なるほどなぁ。
麻婆豆フはスプーンが最初から餡の中に不時着しているのが気になるが、お豆フと餡がたっぷりでうれしい。所々に片栗粉でダマになっているのはご愛嬌。ビールのお供にぴったりだ。
餃子は細長く、第一亭と形状がよく似ている。食べてみるとびっくりすることに味までよく似ている。少しお肉がボソボソとしていてニンニクが強めの白身魚のフライを食べているようあっさりとした餃子。調味料をしっかり付けて食べると味が整ってくる。私の統計だと細長い餃子はなぜかあっさりしていることが多い。逆にぷっくり太った餃子はこってりなことが多い。人間と一緒だ。
お会計はわずか1,500円。やっすいなー。お店を出て深呼吸。やっぱり外の空気はおいしい。人によって匂いの感覚は違うのでお店の匂いが気になってしまったのは私だけかもしれないが、サウナの後の水風呂のように外の空気がいつもの何倍にも美味しく感じることができたからモーマンタイ。よし、このまま三軒茶屋まで歩いて帰ろうっと。
店舗基本情報
店名:信華
電話番号:03-3425-4747
予約可否 :不可
アクセス:
上町駅から66m
住所:東京都世田谷区世田谷3-12-11
URL:https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131709/13062311/
営業時間
[水~月]
11:00~15:00
17:00~21:00
[火]
11:00~14:00
定休日:無休
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