木目の外壁が特徴的な美しくも風格のある佇まい。濃紺の暖簾がより高尚な雰囲気を醸し出す。馬上荘は福岡No,1の呼び声の高い餃子屋さんだ。
店内はカウンターとテーブル席。ここでは間違いなく厨房内を見渡せるカウンター席がオススメ。そこでは伝統芸能とも呼べるような馬上荘特有の餃子作りを見ることができる。
注文が入ると皮を伸ばすところから始まる。箸で肉餡を皮の上に乗せ、二度大きなひだをつけて高さを出す。それを麺台に叩きつけ底面を作る。餃子内の空気を抜き、焼き目を作る意味があるのだろう。その独特の餃子作りの所作があまりに美しくスムーズに行われるので、つい時間を忘れて見入ってしまう。聞いてみるとなんと餃子の仕込みは毎日午前10時から行われているそう。午後4時開店なのでなんと6時間も仕込みが行われているということ。本当に手間がかかった餃子なのである。
餃子は新幹線の座席のように通路を挟んだ2列×2シートのような整列。私は膀胱が大きめでトイレにあまり行かなくても大丈夫なので新幹線も飛行機も窓際を選択する。白っぽい皮とお餅のようなカリッとした焼き目が特徴的。油をほとんど使わずに焼いているのでそうなるのであろう。なんだこの可愛いさ。この餃子なら目に入れても痛くなさそう。う、うわぁアチィィ!どんなに可愛くても目に入れるのはやめたほうが良さそうだ。
いざ食べてみると皮はやや厚めの分厚さで、モチっとした食感の先から小麦粉の甘い香りが漂う。牛豚の合挽きミンチが使われた肉餡は玉ねぎの甘みがとても強い。そしてふんわりと軽く、しっかりとした皮との食感の相性も良い。馬上荘の餃子は皮も肉餡も甘みが特徴的。ただ両方とも嫌な甘さではなく、食材の持つ上質な甘さ。全細胞が大喜びのおいしさ。
ちなみに途中から醤油と酢にお店特製の柚子胡椒を溶いて食べると良い。甘めの餃子がピリッと引き締まる瞬間だ。
そしてサイドメニューでオススメしてもらったレバテキもいただいたのだが、新鮮なレバーの食感と濃厚な味わいが脳を揺らすほどおいしかった。餃子を待つ間はビールとともにレバテキをつまむのが良いだろう。
どこか餃子荘ムロや餃子館と似たような全身で餃子を味わう感覚を馬上荘でも得ることができた。こんなに餃子に真剣に向かい合っているお店はそう多くない。ネットで馬上荘と調べると予測変換に”無愛想”と書かれているが、それに関しては全くもって賛同しない。餃子に対して一生懸命で真剣なのだ。誰も将棋を打ってる棋士に笑顔を求めないだろう。ニコニコと美味しくない餃子を出すお店よりも、たとえ笑顔がなくても一生懸命美味しい餃子を出してくれるお店の方が良いに決まっている。何より馬上荘のお店の方は笑顔もあったし、細かい気遣いもあって非常に親切にしてくれた。博多に行ったら絶対に行って欲しいお店。スマホからは一度離れて全集中で行ってきて欲しい。
店舗基本情報
店名:馬上荘(ばじょうそう)
電話番号:092-831-6152
予約可否 :不可
住所:福岡県福岡市早良区西新1-7-6
アクセス:
地下鉄西新駅から徒歩7分
西新駅から316m
URL:https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131705/13134647/
営業時間
[火~土]
18:00~23:00
[日・祝]
18:00~22:00
定休日
月曜日
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